診療・各部門
診療の目標
地域の中核病院内に開設された歯科口腔外科として、地域のかかりつけ医の先生方と密に連携をとりながら、“親知らず”などの顎骨内の埋伏歯の抜歯や、顎口腔領域の炎症、粘膜疾患、嚢胞、腫瘍、外傷などに対する口腔外科全般の診療を行っています。
診療の特色
(施設認定)
当科は、2009 年に、日本口腔外科学会の関連研修施設に、認定されました。
(骨性埋伏歯、過剰埋伏歯)
下顎骨内に埋伏した智歯(親知らず)や、難抜歯、過剰埋伏歯などを抜歯いたします。幼少期のお子様や抜歯に抵抗のある患者様には、入院していただき鎮静法や全身麻酔を用いて抜歯を行うこともあります。
(顎顔面外傷)
歯牙・軟組織の損傷、顎顔面骨折に対して、咬合を考慮して手術治療や保存的治療を行います。
(顎口腔領域の炎症)
歯原性の蜂窩織炎、顎骨周囲炎、顎骨骨髄炎などで、疼痛や摂食障害が著しい場合には、膿瘍切開、抗生剤の点滴投与、栄養管理等を行います。
(嚢胞)
嚢胞とは、顎の骨や周囲難組織の中に発生して液体成分が貯留する袋状の病変です。病変の範囲や部位に応じて、摘出術や開窓術を行い、なるべく咬合・咀嚼機能や顎骨形態を保存するように努めます。
(口腔粘膜疾患)
白板症、扁平苔癬、口内炎、ヘルペス性歯肉口内炎、帯状疱疹などの口腔粘膜に病変を生じる疾患の治療を行います。また全身疾患と関連する口腔内病変の場合は内科、皮膚科等と連携して診断・治療を進めます。
(顎関節症)
薬物療法、理学療法、スプリント療法などの保存療法を主体に行います。
(良性腫瘍)
歯の組織や粘膜の組織に由来する良性の腫瘍に対し、摘出術などの治療を行います。
(悪性腫瘍)
舌癌、歯肉癌などの口腔悪性腫瘍(口腔癌)に対して、病変の発生した部位や浸潤状況を考慮し、手術・化学療法・放射線治療などを、単独もしくは併用にて行います。
(基礎疾患のある患者さんの抜歯などの処置)
高血圧症、心疾患、糖尿病等の重度の全身疾患を有する患者様や、 歯科恐怖症の患者様に対して、モニタリングや鎮静法、全身麻酔などを用いて処置を行います。
(その他)
当院の各科入院中の患者様で、お口のお手入れが難しい患者様や、 術前・術後の患者様の口腔内のケアを行うこともあります。
主な検査医療機器
CT撮影装置、MRI撮影装置、全身管理モニター、パノラマ撮影装置、歯科X線撮影装置、歯科治療ユニット
携帯用歯科治療ユニット、救急処置セット、TCIポンプ、BISモニター
手術室症例
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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悪性腫瘍手術 | 9 | 2 | 4 |
良性腫瘍手術 | 9 | 2 | 7 |
外傷手術 | 3 | 1 | 1 |
嚢胞手術 | 19 | 13 | 17 |
唾液腺関連手術 | 1 | 1 | 1 |
抜歯・埋伏歯抜歯術 | 69 | 69 | 94 |
消炎手術 | 5 | 6 | 6 |
形成手術 | 7 | 6 | 3 |
その他 | 1 | 9 | 3 |
スタッフ
石神 哲郎(センター長)
歯学博士
[専 門]口腔外科学 歯科麻酔学
[所属学会]日本口腔外科学会(専門医・指導医)
日本歯科麻酔学会(認定医)
日本口腔診断学会(認定医・指導医)
日本がん治療認定医機構 暫定教育医(歯科口腔外科)
BLS プロバイダー
摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
中村 康大(医長)
歯学博士
[専門]歯科、口腔外科学
[所属学会]
日本口腔外科学会(認定医)
日本口腔科学会(認定医)
日本口腔ケア学会(口腔ケア4級)
日本口腔腫瘍学会
日本癌学会
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
日本歯科薬物療法学会
南九州歯学会
日本病院歯科口腔外科協議会
歯科医師臨床研修指導医
緩和ケア研修修了
精密触覚機能検査研修修了
歯科医師認知症対応力向上研修修了
奥 遥(医員)
[専 門]歯科口腔外科
[所属学会]緩和ケア研修会修了