診療・各部門
診療目標
南九州3県にまたがる地域の地域医療支援病院として、登録医の先生方と連携をとりながら、エビデンスに基づいたスタンダードな循環器診療を行います。
診療の特色
当科では、科員全員が循環器専門医を取得しており、人吉・球磨のみならず伊佐、湧水、えびの、小林などの広い医療圏の中核病院として狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患、不整脈、心不全、心筋疾患、肺塞栓、閉塞性動脈硬化症など循環器疾患全般にわたり24 時間体制での診療を行っています。また、カテーテル治療室も2室あるため緊急症例が重複しても対応可能です。
当科は県南中部地域唯一の循環器内科の基幹施設であり、日本循環器学会認定循環器専門医研修施設、日本心血管インターベンション治療学会研修関連施設にも指定されております。
カテーテル検査・治療件数も増加しており平成28 年の冠動脈カテーテル治療は359 件、下肢動脈カテーテル治療が80 件、ペースメーカー治療( 植込み・電池交換含む) が66 件と毎年度増加しております。特に下肢血管疾患については近年力を入れている分野です。当科では年間約80 件以上の急性冠症候群(ACS) を診療しておりますが、ACS の治療において生命予後を改善させるうえで最も重要なことは、いかに早く確実に再灌流を得るかという事であり、再灌流を得るまでの時間(door-to-balloon time : DTBT) をできるだけ短縮することが、我々医療者側に求められています。当科のDTBT は年々短縮しており2014 年は76.6min でしたが2015 年は67.0min と約10 分短縮することができました。
発症してから治療可能な施設に来るまでの時間が早いほどPCI の効果も大きいと言われています。そのため救急車や地域の医療機関からの救急患者に即座に対応できるよう心臓カテーテルチームを整備し、電話1本でスムーズな受け入れが出来るよう体制を整えています。また、治療後は情報の共有、再発予防のための基礎疾患・危険因子の管理といった患者の在宅療養を支援するツールとしてPCI 後地域連携クリティカルパスを導入し、地域の医療機関や薬局などとも連携を取っています。
そして、当院は南九州では数少ない「心大血管疾患リハビリテーション認定施設(I)」として、心臓リハビリテーション診療に積極的に取り組んでいます。日本心臓リハビリテーション学会認定指導士が4 名(医師1 名・看護師2 名・理学療法士1 名・臨床検査技師1 名)在籍し、学会・研究会活動も盛んで、多職種のヘルスケアスタッフと協同して質の高いチーム医療を行っています。
さらに「外来通院型」心臓リハビリテーションを実施しており、急性期病院でありながら回復期の方のサポートも行うというユニークな地域密着型診療を実践してきました。なお、患者教育・啓発を通じた心血管疾患の再発予防活動も重要であるとの認識に立ち,毎月1 回患者会「清流ハートクラブ」を開催し,患者および家族の方への教育・指導・支援を行っています。今後も地域の先生方や病院全体と共に急性期治療に力を入れていきたいと思います。
平成21 年より設置された「熊本県急性心筋梗塞医療推進検討会議」には、地域中核病院の代表として参画しています。
主な検査医療機器
- 心電図・運動負荷心電図
- ホルター心電図
- ABI/PWV・ABPM
- 心血管超音波・シンチグラム
- 64列マルチスライスCT・1.5テスラMR
- 心血管カテーテル検査
- 電気生理学的検査
- 血管内超音波検査
- 血流予備量比測定検査
- トレッドミル・エルゴメータ
- 呼気ガス分析装置
- 除細動器・AED負荷心電図ソフト付き心電計(心リハ室):フクダ電子製FX-7432
- 負荷心電図ソフト付き心電計(シンチ室):日本光電工業製ECG-9521
- 心臓超音波検査装置:GEヘルスケア・ジャパン製Vivid 7
- 携帯型心臓超音波検査装置:GEヘルスケア・ジャパン製Vivid i
- 血管内皮機能検査装置:ユネクス製ユネクスイーエフ
- ホルター心電図解析装置:フクダ電子製SCM-3000
- ストレステストシステム:フクダ電子製ML-5000
- トレッドミル装置:フクダ電子製バリアントスポーツVS-ST
- エルゴメータ装置:フクダ電子製BE-250(×3),BE-200(×2)
- 呼気ガス分析装置:ミナト医科学製AE-310S(RD)
- 動脈硬化検査装置:日本コーリン製form PWV/ABI
- 除細動器:日本光電工業製TEC-7621
- ガンマカメラ装置:Siemens製e.cam signature
- 64列マルチスライスCT:GEヘルスケア・ジャパン製LightSpeedVCT
- 血管造影システム:GEヘルスケア・ジャパン製INNOVA2121IQ
- 造影剤注入装置:MEDRAD製AVA500PEDL
- ポリグラフ:GEヘルスケア・ジャパン製ComboLab32
- 電気生理学的検査装置:日本光電工業製SEC-4103
- 血管内超音波検査装置:Boston製iLab
- 大動脈内バルーンパンピング装置:MAQUET製CS100
- 統合型循環器データマネジメントシステム:GEヘルスケア・ジャパン製Centricity Cardio Enterprise
- パン製Centricity Xi2
- 低体温療法:ARCTIC SUN 5000
施設認定他
- 日本循環器学会認定専門医研修施設
- 心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)
- ペースメーカ移植術
- 経皮的冠動脈形成術
- 経皮的冠動脈粥腫切除術
- 経皮的冠動脈ステント留置術
- 大動脈内バルーンパンピング法
循環器実績
(件) | |
---|---|
PCI | 95 |
ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 35 |
経皮的冠動脈血栓吸引術 | 30 |
四肢の血管拡張・血栓除去術 | 33 |
ペースメーカー交換術 | 30 |
体外ペースメーキング術 | 30 |
大動脈バルーンパンピング法 | 14 |
植込型心電図記録計移植・摘出術 | 5 |
ECMO | 1 |
スタッフ
田口 英詞(主任循環器内科部長)
尾上 喜郎(部長)
[専門]循環器一般
[所属学会]日本内科学会(認定医・総合内科専門医)
日本循環器学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会(認定医)
日本心臓病学会
日本心臓リハビリテーション学会
髙江 将史(医員)
[専門]循環器一般
[所属学会]日本内科学会(認定医)
日本循環器内科学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会(認定医)
日本心臓リハビリテーション学会
川原 勇成(医員)
[専門]循環器一般・不整脈
[所属学会]日本内科学会(認定医)
日本循環器学会(専門医)
日本不整脈心電学会(不整脈専門医)
日本心血管インターベンション治療学会