画像診断センター

診療・各部門

ご挨拶

当院では、2017年3月にGE社製256列CT「Revolution CT」新規導入し、2023年3月には従来CTをGE社製64列CT「Revolution Frontier」に更新し2台体制で日々の診療・救急・予防医療に対応しております。新しいCTにより患者様の医療被ばくのさらなる低減が得られ、冠動脈CTなどはより鮮明に撮影することができるようになり、診断能の向上が見込まれます。MRIは、Phillips社製3.0テスラ「Ingenia 3.0」とPhillips社製1.5テスラ「Intera 1.5T」の2台で運用し、核医学検査領域においてもGE社製ガンマカメラ装置「Discovery NM630」, GE社製PET-CT装置「Discovery PET/CT 610」を導入しております。新病院移転時には血管造影装置、心臓用バイプレーン血管造影装置、デジタルマンモグラフィ、テレビ透視装置、一般撮影装置、ポータブル撮影装置などが刷新されており、精度の高い画像検査、治療を行う事ができようになっております。放射線科常勤医師は2人体制を維持し、CT、MRI、RIの読影はY’s Readingの中山先生に遠隔で応援していただくことで、全件読影を行っております。

診療目標

画像診断においては、地域の中核病院として各地域の先生方のニーズに対応できるようCT、MRI、核医学などの医療機器を充実させ、迅速かつ丁寧に行うよう心がけるとともに、放射線障害の発生を防止し、あわせて公共の安全を確保するために適切な放射線線量管理を行いながら、地域医療へ還元できるように研鑽を積んでおります。また、放射線治療においてはハイパーサーミア装置を隣室に備えており2023年10月より常勤の放射線治療専門医を迎え入れ、緊急照射や患者様のニーズに沿った対応に努めています。

特色と業務内容

画像診断センターには20名の診療放射線技師が所属し、放射線を取り扱う専門家として一般撮影をはじめ、放射線治療、CT検査、MRI検査、RI検査、PET-CT検査、心・血管撮影検査、X線透視検査に従事し、患者様に対しても温もりのあるサービスを目指し「思いやり」の気持ちを大切にして日々の業務を行っております。また、地域医療を担うために知識・技術の向上に努め、できるだけ少ない被ばく量で最適な画像情報の提供を心がけています。高度医療機器の共同利用を推進するために、多くの先生方と連携し、CT・MRI・RI・PET-CT検査等については患者様の希望に添った日程で検査を行っております。

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【取得認定】
1種放射線取扱主任者:1名
第2種放射線取扱主任者:2名
検診マンモグラフィ認定技師:5名
X線CT認定技師:6名

画像等手術支援認定診療放射線技師:2名
放射線機器管理士:5名
放射線管理士:7名
PET認定技師:6名

放射線治療

放射線治療とは

放射線治療とは、放射線を体の外から集中して当てて体内部の病巣を治療する方法です。
放射線治療は副作用が過大に思われており、治療の選択肢に入っていても、患者様になかなか選択されづらい傾向があります。しかし治療装置やコンピューターの進歩に伴い、治療精度が向上し、治療成績の改善や副作用の減少が可能となってきています。また、放射線治療に関する情報が、比較的入手しやすい状況になってきており、患者様自身が放射線治療を積極的に選択されるようになりました。また、治療費に関しても、手術や抗癌剤治療に比べ低く、外来での治療も可能な場合もあり、全体的に安価で抑えられています。

放射線治療の適応について

放射線治療は単独で根治を目指すものと、他の治療と併用して根治を目指すものがあります。
放射線治療単独で根治を目指せる疾患は、早期喉頭癌・子宮頸癌・前立腺癌等があります。早期喉頭癌は現在も放射線治療単独で90%程度の根治が望めます。子宮頸癌は放射線治療と手術療法で予後に大きな差はありませんが、日本では手術を施行する施設が多いようです。
他の治療と併用することにより、根治が望めるのは、頭頚部腫瘍(扁平上皮癌)・乳癌(乳房温存療法)等があります。一般的な消化器腫瘍(腺癌)は放射線抵抗性の場合が多く、適応とならない場合もあります。
根治が望めない場合に、腫瘍による症状(痛み・出血等)を緩和するような放射線治療の適応もあります。頻度が一番多いものは、骨転移による痛みの緩和です。骨折をおこしていなければ、1日~2週間程度の放射線治療で70~80%の患者様に効果がみられます。この場合、放射線抵抗性の腫瘍であっても疼痛緩和は可能ですので、癌種に関係なく治療可能です。
放射線の副作用は、一般的に脱毛・白血球減少・吐き気・全身倦怠感・皮膚のケロイド状変化等が起きると思われています。しかし放射線の線質や照射部位によって全く副作用の生じないものもあります。照射部位に細胞分裂を認める場合に障害が起きることが多く、毛根(脱毛)・皮膚(皮膚炎)・粘膜(粘膜炎・下痢)・骨髄(白血球減少)等がそうです。
放射線の副作用は、治療後半に発生する急性期障害と治療数年後に発生する晩期障害があります。急性期障害は一時的で回復しますが、晩期障害は非可逆性の変化で回復が難しいことが多いようです。
放射線治療は手術・抗癌剤治療と並ぶがん治療を支える柱のひとつです。放射線治療の特性を活かし地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たすべく皆様のお役に立てるように頑張っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

業務内容

・画像診断部門
X線単純撮影、X線透視造影検査、CT、MRI、歯科(デンタル・パノラマ)、乳房撮影、骨密度測定、心・血管造影検査などの検査を行っております。

・核医学(RI)診断部門
センチネルリンパ節シンチ、骨シンチ、Gaシンチ、心筋シンチ、脳血流シンチ、ドパミントランスポーターシンチグラフィー、肺血流シンチ、TI腫瘍シンチ、アシアロシンチ、消化管出血シンチ、メッケル憩室シンチ、PET-CTなどの検査を行っております。

MRI画像

・放射線治療部門
喉頭や前立腺等への根治目的の照射はもちろん、乳房への温存術後照射、その他食道・膵臓・直腸等への術前術後照射も行っております。
また、骨転移の除痛、脊髄圧迫除去や脳転移の神経症状・頭蓋内圧亢進の除去、癌性疼痛の除去を目的の緩和照射も行っております。

・予防医療
検診部門にも検診マンモグラフィ認定技師などを派遣して、胸部・乳房撮影、X線透視造影(胃部)、骨密度測定などに従事し予防医療に取り組んでいます。

・救急医療
通常勤務時間帯以外も、常時1名体制で365日24時間対応の救急医療に対応しており、いつ何時でも撮影ができ体制をとっております。またCT検査にて1mm以下の撮影を行うことによって3D画像(立体画像)や、目的に応じた断面の再構成ができます。これらの画像を用いることにより、わかり易くより臨床的に価値ある画像を提示することが可能となりました。

当院での認知症診断に有用な各医学検査のご紹介

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画像検査予約について

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2023年 照射部位別患者症例

部位 件数 部位 件数

7

その他腹部

3

その他頭部

4

1

喉頭

2

副腎

1

中咽頭

2

前立腺

18

下咽頭

1

子宮

2

口腔

3

1

その他頚部

7

胸椎

10

16

腰椎

8

食道

5

仙椎

1

肋骨

4

腸骨

2

胸骨

1

股関節

1

その他胸部

12

その他骨盤

6

乳房

31

上肢

3

胆管

1

下肢

2

膵臓

2

合計

157

スタッフ

米永 和真(センター長)

[専  門]放射線診断学
[所属学会]日本医学放射線学会(放射線診断専門医)
日本IVR学会(IVR専門医)
脳神経血管内治療学会(脳神経血管内治療専門医)

内村 竜太郎(医員)

日本専門医機構認定 放射線科専門医
日本医学放射線学会
日本IVR学会

石内 総一郎(非常勤)

画像診断部門

中山 善晴(非常勤)

医学博士
[専  門]放射線診断学、腹部画像診断学
[所属学会]日本医学放射線学会(放射線診断専門医)

放射線治療部門

松本 忠士(部長)

[専  門]放射線治療全般
[所属学会]日本医学放射線学会(放射線治療専門医)
日本放射線腫瘍学会

斎藤 哲雄(非常勤)

[専  門]放射線治療全般、IMRT、定位放射線治療
[所属学会]日本医学放射線学会(放射線治療専門医)
日本放射線腫瘍学会

◆マンモグラフィ読影認定医下川恭弘(副院長、血管呼吸器外科部長、HCU救命救急センター長)
合志秀一(予防医療センター長)

◆認定看護師

がん放射線療法看護認定看護師:樋口和美